タイトルは、「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」という本の最後に書いてあった言葉になるのですが、とても深い言葉、内容でした。
ぼくは自分の人生に、後悔がまったくない
(中略)
ぼくが自分の人生に後悔がないといえるのは、すべてを自分で選んできたからだ。進路を選び、写真という天職を選び、妻というパートナーを選び、その結果として、どう控えめに言ってもかわいい息子に恵まれた。自分だけの家族を、選びなおした。病気になってからは友人たちも選びなおし、ますます人生が輝いていった。いま、ぼくのまわりに「自分で選んでいないもの」はほとんど存在しない。生きるとは、「ありたい自分を選ぶこと」だ。進路でも、仕事でも、就職先でも、住むところでも、パートナーでも、何かを選び始めたとき、その人は自分の人生を歩きはじめる。誰かに奪われかけた自分の人生を取り戻す。
著者は、がん患者で余命数年と宣告されている幡野 広志さん。
本の内容は、家族、友人、仕事、お金、自分の居たい場所、そして生と死について命を見つめ続けてきた著者が大切にしてきた「選ぶ」ということの大切さが詰まったものです。
生きにくさを感じている人に、生きやすさを感じてもらえることを願って書かれたものになるのですが、 ”ビジネス書” としてもおすすめの一冊です。
ビジネスだってありたい自分を選ぶことの繰り返し
ビジネスシーンでは「裁量」という言葉をよく聞きます。
自分の意見でとりさばき、処置することを意味しますが、この裁量がない状態のビジネスパーソンは言ってしまえば価値の低い人材です。
会社や上司から言われたことをただこなすだけのマシーン的存在。
ビジネスパーソンとして高みを目指したい、一歩抜きんでたいのであれば、
やらされるのではなく、自ら創り出すのです。
仕事とは自分がいなかったら起こらなかった出来事を創り出す行為ともいえるでしょう。
そして、自分の決断が自分を創る。
もっと広義的にいえば、生かされるのではなく、生きるということです。
人生がそうであるように、ビジネスパーソンとしてだって「ありたい自分を選ぶこと」があるべき姿なんだと、本著を読み、改めて強く思いました。
時間の無駄遣いだけはしたくない
本著の中で僕らビジネスパーソンにとって刺さる一文をもう一つご紹介します。
仮に余命1年と言われて、明日からも毎朝満員電車に揺られて会社に行きたいと思う人は、ほとんどいないはずだ。末期がん患者は口を揃えて言う。なにも考えずに働いて、意味もない残業に奪われていたあの時間が、ほんとうに惜しいと。あそこに使った時間を返してほしいと。
時間は有限。
こんな意味を持つ言葉や文章は腐るほど聞いてきたと思いますが、「末期がん患者は口を揃えて言う」という前置きで語られると重みが違いすぎる。
心でも体でもわかっていることを、やるかやらないかだけ。
もう本当にこれだけなんですよね。
人生模様的なノンフィクション本として読み応えあることは間違いありませんが、 ”ビジネス書” という視点で読んでも、心を揺さぶられるのでとてもおすすめの本です。
毎日を惰性で過ごし、なにかもやついた毎日を過ごしている方は読んで頂きたいです。
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