10年以内にAI(ロボット)やテクノロジーによって代替される仕事で有名なのが、タクシー運転手やコールセンター、経理や会計系の仕事である。

間違ってはないのだろうが、ファッション業界に絞ってみると、はるかに現実味を感じ取ることができる。

実は、あらゆる業界の中で一番最初に新しい波にのまれるは、ファッション業界ではないだろうか。


近い将来「財布」は必要なくなる

日本は、海外と比べて圧倒的に”現金主義”ではあるが、あと10年も掛からずに現金社会は無くなっているはずです。そうなれば財布という存在が不要になります。

クレジットカードをはじめ、仮想通貨やトークンといったものによって「お金の価値」が変わっていくことは、時代の流れを感じ取れば必然なことです。

よって、財布メーカーが将来的に社会に必要とされているわけがありません。タクシー運転手不要説よりもはるかに現実味があるのではないでしょうか。

いま小さな子供たちが、大人になったときに僕たちと同じような財布を使っていることが想像できるでしょうか?


ECに必要な採寸作業は不要になる

完成後の製品を一点一点採寸して、各部位を数値化する作業など不要になることでしょう。ZOZOSUITが代表的ですが、これからは「パーソナライズ」の時代です。

これからは、個々人の興味・関心・行動、そして体型にまでも”モノ”が合わせる時代なのです。

大げさなことを言ってしまえば、採寸だけでなくECに必ず必要な、ささげ(撮影・採寸・原稿の略)作業自体が、AIやテクノロジーによって代替されるかもしれません。

そうなれば、ECのバックヤード業務を稼業としている企業自体が不要となります。


接客に必要性を感じないお店の店舗スタッフはいらない

具体的に言ってしまえば、ユニクロやGUのように”日用雑貨に近いアパレルブランド”では、店舗スタッフ自体がいらない。

レジさえ無人で成立することでしょう(実際にすでにセルフレジの店舗もありますが)。

店舗スタッフの存在も加味したお店として「空間の価値」を持たない、日用雑貨品的な洋服屋さんであれば、在庫有無と試着したい旨の確認だけ取れればいい。

このような用事であれば、なにも”人”がわざわざ対応する必要もない。AIやテクノロジーで十分である。


このように、今のファッション業界だけにフォーカスしてみると、わりとすぐに代替されるようなことが思いつくものである。

しかも、世間一般的に言われている「10年後に無くなる仕事・・・」というようなものよりもはるかに現実味を帯びている。

これはやはり、アパレル業界が長年続けてきた「他をマネするだけ」という業界の悪しき風習に依存していたからなのではないだろうか。

こうした鈍化した業界に対して、ZOZOを筆頭としたイノベーション企業が時代を変えていく未来が想像できてしまう。

今まさに時代が変わるターニングポイントに差し掛かっているように思う。