EC業界で活躍している人材、活躍できる人材には一体どんなスキルやノウハウが必要でしょうか?

本記事では、EC業界で活躍するために必要なスキルやノウハウについて解説します。

ひとえにEC業界といっても、売上や会社の人数によって、小規模EC・中規模EC・大規模ECとあり、それぞれの規模で経験できることが変わってくる業界でもあります。
規模感イメージ(主観です)

小規模EC:月商3,000万未満

中規模EC:月商3,000万~8,000万

大規模EC:月商8,000万以上
僕は、これらすべての領域に携わっていますので、 ”携わる規模” による特徴も踏まえ、EC業界での理想のキャリアアップ論を書いていきますので、ぜひ参考にして頂けたら幸いです。

(仕事柄、月商数百万~数億円規模のECサイトに携わっています)


小規模EC~中規模ECで全方位の業務を理解する

まず、EC運営の主な業務内容をできる限り経験しておくことが重要だと思います。

EC運営の主な業務内容については、こちらの記事でも書いてある通り、以下になります。
・商品登録、設定作業

・バナーやLP(ランディングページ)の制作作業

・メルマガ、SNSなどのコンテンツ運用

・受注、売上管理

・ささげ(撮影・採寸・原稿)

・在庫管理

・出荷作業

・カスタマー作業(お客様対応)
これらをなぜ経験しておくことが重要かというと、ECの現場だからです。

EC業界に限ったことではありませんが、ビジネスにおいて現場を知っているということは、普遍的に重要です。

上で挙げたそれぞれの業務のプロフェッショナルになる必要はありませんが、ECビジネスの土台ともいえる現場を身を持って体験している経験値は、EC業界で生きていくうえでのキャリアアップに必ず繋がります。

そして、現場すべてを実際に経験できるのは、小規模EC・中規模ECです。

小さい規模だからこそ、一人当たりの関わる範囲や裁量が広範囲である可能性が高いです。

一方、規模が大きくなるとどうしても組織の縦割りにより、関わる範囲が限定的になってしまうもの。

体験できる範囲、学べる範囲でいうと、やはり小規模EC・中規模ECのほうが広範囲なんです。

さらに、広範囲に携わることでとても重要な感覚を養うことができます。

それは、いかにEC運営には非効率な業務があるか、ということ。

このあと書いてあることに繋がるのですが、EC業界でのキャリアップにおいてこの、EC運営上の非効率な業務を経験し、知っていることは非常に大切なポイントになります。


大手ECの落とし穴

アンチ大手というわけではありませんが、複数企業のECビジネスの現場を見ている側からすると、やはり大規模である大手ECの内情は、業務や携われる範囲が限定されます。

ある程度の企業規模になると、業務をアウトソース(外注)するケースも多いです。

そのため、ECの現場を理解しずらくなります。

例えば、物流や撮影業務などにはぶっちゃけ、非効率なことや「ムダじゃね?」ということが多々あります。

それから、カスタマー作業の中からは、顧客のニーズを拾えたりすることもあります。

こういったECの現場をアウトソースしていたり、限定的な範囲でしか業務に携われない大手ECの内情しか知らないことは、キャリ形成において機会損失でもあります。

これでは、EC業界でキャリアップしていくには正直微妙です。

もっと本質的なことを言うと、規模が大きくなるとスピード感が遅かったり、非効率やムダな作業が常態化しがちで、このような環境に人は依存してしまうものです。

小規模ECで現場をゴリゴリに経験してきた僕からすると、大手の中はスピードが遅く、とにかくムダなことばかりが目につきます。

そして、大手ECの落とし穴とは、先ほど述べた以下のことと強く紐づきます。
EC業界でのキャリアップにおいてこの、EC運営上の非効率な業務を経験し、知っていることは非常に大切なポイントになります。
大手ECの落とし穴とずばり、ムダをムダと思えなくなってしまうことです。

要するに、大手の現場しか知らないと、自分の中で ”今やってることが当たり前” としか感じなくなってしまうわけです。

繰り返しますが、EC運営には非効率な業務がたくさんあります。

しかも、大手であれば、より多くの人が間に絡むためなおさらです。

こういった現場に対して、業務改善や提案といった行動・変化を起こせる人は、小規模ECで現場をゴリゴリに経験してきた人である傾向が非常に強いのです。

そして、会社の中で現状を変える行動を起こせることは、キャリアップに確実に繋がります

むしろ、何がムダかもわからず、自分起点の変化を起こせない人がキャリアアップしていくことは、非常に難しいと思います。

「EC運営上の非効率な業務を経験し、知っていることは非常に大切なポイント」と述べているのは、このためです。

補足しておきますが、大手ECにいても上述した「スピード感無い」「ムダばかり」という内情に依存せず、変化を起こせる人材であれば、大手ECに勤めること自体は問題ではありません。


EC業界でのキャリアアップに絶対関わるべき領域

EC業界でのキャリアアップには、これまで述べてきた現場レベルの業務だけではダメです。

こちらの記事で書いている、以下知見や経験が求められる領域
・デジタルマーケティング領域の仕事(広告、データ分析、ツールの導入など)

・システム周りの仕事(連携開発、システム変更など)
最低でも、この領域に携われるようになってこそ、EC業界で市場価値の高い人材になれます。

これは、EC業界に関わらず、ITの世界に身を置いているビジネスパーソンである以上、必然的なことです。

とはいえ、広告運用が自分できるようになるとか、エンジニアレベルでプログラムやコードを書けるようになるといった技術を身に付けなければいけない、ということではありません。

具体的には、WEB広告の仕組みを理解できたり、数字を読めたりして、広告代理店と折衝ができるレベルです。

システム周りでいっても、仕組みを理解できてシステム会社と対峙できるレベルでの知見は必要ですよ、ということ。

そしてもう一つ重要なことがあります。

それは、自らが商売人であるということです。

どういうことかというと、ECだって小売でありモノを売るお店です。

デジタルという新しい方式があろうが、結局はECだって商売。

マーケティングという言葉がありますが、マーケティングって要は商売のことだと思うのです。

だから、自らが商売人であることこそが市場価値の高い人材なんです。

数字で表現すると、売上を上げられる人材ということです。

これは余談ですが、一方でマーケティングという文脈を抽象的に小難しく語ってばかりの人たちがとても多いのも事実です。

ネット上に溢れている、業界を斜め上から評論しているような人たちが代表的ですが、こういった人たちは、口だけ&頭でっかちバカですよ。

わりとこういう人たちはどこの会社にもいるので注意したほうがいいです。

お客様がいるのにお客様に自らが向き合えていないビジネスパーソンに価値はありません



【まとめ】EC業界で市場価値の高い人材になるためには

キャリアアップとはすなわち、市場価値を高めるということです。

これまで述べてきた、EC業界で市場価値の高い人材になるためのポイントを簡単にまとめます。
・ECの現場を知る、体験する
→ 現場を理解し、EC運営上の非効率な業務を把握する


・大手ECの内情に依存しない
→ スピード感の無い限定的な業務範囲で、ムダをムダと思えなくならないように


・現場以外の知見、スキルが必要な領域に携わる
→IT業界でのビジネスパーソンとしての経験値をあげる


・商売人であれ
→ 口だけ&頭でっかちにならず、結果を出す実行者であり続ける
10数年前に ”ネットでモノを買う” というEC市場が現れ、その市場の過渡期を乗り越えてきた多くのビジネスパーソンたちは、上述のポイントを備えているもの。

結果、事業部長やEC業界の経営者に名を連ねているわけです。

これからEC業界でキャリアアップを目指す人にとっても、これらのポイントは無視できないでしょう。

数社のEC事業を見てきた率直な感想ですが、EC業界で働く多くは作業者であり、その作業者から抜け出せない人たちがほとんどです。

そんな作業者から抜きんでるための参考に、少しでも本記事が役立ってくれたら幸いです。


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